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医師インタビュー(JA広島総合病院 佐々木 秀 先生)

ひろしまで活躍する医師の、生の声をご紹介!医師インタビュー

熱い心を持って医師として歩み始めた
研修医の成長をしっかりサポートしたい

JA広島総合病院
副院⻑・臨床研修科主任部⻑・一般外科治療センター⻑・
肝胆膵外科主任部⻑
佐々木 秀 先生

プロフィール

1991年3月
大分医科大学医学部(現大分大学医学部)卒業
1991年4月
広島大学第一外科 研修医
1992年4月
加計町国保病院(現安芸太田病院)外科 医員
1994年4月
国家公務員等共済組合連合会呉共済病院外科 医員
1996年4月
労働福祉事業団中国労災病院心臓血管外科 医員
1997年10月
広島大学医学部附属病院第一外科 医員
1998年1月
厚生連JA広島総合病院外科 医員
1998年4月
広島大学医学部附属病院第一外科 医員
2003年10月
広島大学医学部・⻭学部附属病院消化器外科
文部科学教官助手
2004年4月
市立三次中央病院外科 医⻑
2011年6月
厚生連JA広島総合病院外科 肝胆膵外科主任部⻑代理
2013年4月
同上 肝胆膵外科主任部⻑
2017年4月
同上 診療部⻑・一般外科治療センター⻑・
肝胆膵外科主任部⻑
2022年4月
同上 副院⻑・一般外科治療センター⻑・
肝胆膵外科主任部⻑
2023年4月
現職

写真1

専門領域として肝胆膵外科を選んだきっかけを教えてください。

外科医であった父の影響で大学卒業後は外科に入りました。医師になって10年目くらいのときに、当時は広島大学で主に大腸がんや炎症性腸疾患の診療グループにいたのですが、熱心に膵臓がんの診療をされていた先輩から「人が足りないから一緒にやらないか」と、声をかけていただきました。早い段階から目指す専門分野が明確になっている医師もいますが、私の場合は幸運な巡り合わせで進路を決定しました。尊敬する先輩からのお導きと、大学の人員の状況がちょうど重なって、肝胆膵領域、特に膵臓がんを専門に学ぶという流れになりました。

肝胆膵外科医としてやりがいを感じるのは、どんなところですか。

写真2

外科手術にもいろいろありますが、私にとってはがんの手術が最も興味深く、「どのように治療をすれば患者さんに最大のメリットを提供できるのか」という戦略を常々考えています。その観点からも、膵臓がんの手術は非常に奥が深く難易度も高いので、チャレンジしがいがあります。元々治癒率が低い病気ですから、治らない患者さんへの対応にも心を砕く必要がありますが、手術を受けた患者さんがお元気になられた姿を見るのは、この上ない喜びです。治療法の進歩・発展に伴って治療成績が徐々に良くなっていく過程を見られたことも、すごくありがたいと感じています。
外科医になって30年以上になりますが、同じ疾患でも患者さんひとりひとり全て病態に違いがあるのが仕事として面白いところです。外科に限ったことではなく、医療においては新たな課題や治療法が次々と出てくるので、常にアンテナを張っておく必要があり、いつまで経ってもゴールはないですね。

勤務先のJA広島総合病院について教えてください。

写真3

当院は広島県西部地域最大の基幹病院として、救急医療、高度な急性期医療、災害医療等において大きな役割を果たしており、地域に求められるすべての医療を提供しています。2024年春に完成したばかりの新棟には、廿日市市内の医療機関では初となるヘリポートを設置し、救急時や災害時の対応能力を強化しました。また手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」など最新機器の導入や手術室の拡充なども行い、より高度で安全性の高い治療態勢を整えることができました。「ダ・ヴィンチ」を扱うために必要なサーティフィケート※を取得する医師も増えています。

写真4
職員食堂からの眺め

これは個人的なことになりますが、私の父も長くこちらに勤務していました。私にとって廿日市市は幼いころから暮らした故郷であり、当院は思い入れの深い病院でもあります。大学の人事でいろいろな病院に勤めましたが、若い頃からいずれはこちらで勤務したいと考えていましたし、専門性を活かして経験を積ませてもらうという点でも病院のニーズとマッチし、現在に至っています。
※「ダ・ヴィンチ」の製造元が設けている認定資格制度

臨床研修の責任者として、どのように取り組んでおられますか。

私自身が外科医ですから、年々深刻になる外科医不足の問題には強い危機意識を持っていました。地方の医師不足は外科に限ったことではありませんし、当院だけでなく、広島県全体、国全体で考えるべきことですが、次世代の人材育成、長時間労働の是正、待遇面の改善などに取り組みたいという思いもあり、2023年度から臨床研修の責任者を引き受ける運びとなりました。他の業務もあり慌ただしい日々なのですが、時間をやりくりして県内外での研修病院合同説明会にブース出展したり、病院見学者の対応をしたりといった活動を通じて、多くの医学生と直に触れ合っていろんな話を聞くのは楽しいですね。私にとっても良い刺激になっています。
まだまだ成果が出るまでには長い時間がかかりますが、研修医の採用基準や研修システム、待遇面などの見直しに取り組んでいます。せっかく熱い心を持って医学の道へ進み、医師免許を取得した若い先生方の成長を、病院一体となってしっかりサポートしたいと思います。そして本音を言えば、将来的に当院で指導医として活躍してもらえると嬉しいですね。

最後に、求める研修医像を教えてください。

写真5
大のサンフレッチェ広島ファンという佐々木先生。25年以上連続で年間指定席を購入し、ホームの試合にはほぼ全試合駆けつけているそう。研修医や他の医師、スタッフと一緒に観戦を楽しむことも

当直業務では、深夜まで患者さんが重なることもありますし、三次救急や高度ながん診療も行う忙しい病院ですので、「毎日17時に帰ってゆっくりしたい」という人には、当院はあまりおすすめできないかもしれません。かといって、当直の翌日も帰宅できないとか、大量のレポートに追われるとか、いわゆるハイパー病院のような激務ではないので、バランスの取れた2年間になると自負しています。
初期研修期間中にどれだけたくさんの患者さんを診るかによって、3年目以降の実力に大きな差がつきます。誰でも最初は不安があると思いますが、ここでの初期研修が終わったら、どこへ出ても恥ずかしくないという状態になれるよう指導しますので、向上心のある方は、ぜひ当院で学んでほしいと思います。

 
(2024年10月)



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