TOMOに学ぶreserchers
開催日時
2023年10月21日(土)、22日(日)
開催場所
広島県福山市鞆町
主催
TOMOに学ぶresearchers
代表: 平岩 千尋 先生(医療法人紫苑会藤井病院) 、吉田 秀平先生(広島大学)
参加者
16名(初期研修医:4名、後期研修医:2名、その他医師:9名、その他の職種:1名)
実施内容
総合診療・家庭医療における研修到達目標の一つに「地域の現状から見出される健康問題への対応と国際的視野に基づく学術活動の継続」が含まれています。
しかし日々の臨床業務の中で地域に出ていくことや学術的な知識を学ぶことは難しいと感じる専攻医は多いです。
そこで今回は鞆町に中国地方の総合診療・家庭医療の専攻医や指導医が集まり、鞆町の健康課題を探るセミナーを開催しました。
初日は藤沼先生に家庭医として、牧田先生からは研究者として、吉田先生からは統計学的視点からみた地域の健康課題に取り組むことの重要性についてレクチャーがありました。
その後、密山先生から「フォトボイス」という手法を学び、全員が町に飛び出して地域の方の声を聞きながら情報を集めました。
翌日は各参加者が心に残った1枚を選び、それを全員で共有し、その背景にある地域の強みや改善点などを探っていきました。
会が進むにつれてそれぞれが違った視点で鞆町を見ていたことが分かり、また改善点よりも鞆町の強みに多く気付けたのが印象的でした。
この手法を使って自分達の地域でもできそうだ、と思えたと共に、地域に医師が関わっていくことの重要性を改めて感じることができた勉強会でした。
主催者からの声
家庭医療の世界でも中心で活動されてきている藤沼先生、そして地域医療に関する様々な活動やフェローシップなども行っておられる密山先生、医療職ではないのですが鞆に在住する福山市立大学で社会学の研究や講師をしておられる牧田先生にそれぞれの視点から地域をみていくことを教えていただき、本当に充実した時間でした。
そして何より、地域医療に興味をもつ若手医師が集い、ともにフィールドワークを行い、交流を深めて地域医療や家庭医療(総合診療)について学び語る場となったことが、とても意味があったと思います。
地域医療の魅力を発信することで今後広島地域で活躍してくださる若手医師が増えることに繋げていきたいと考えており、来年度も実施していきたいと思います。
参加者の声
- 実際に鞆の浦に住んでいて、歴史的背景や日頃の状況も良く知っている方がいる中で、講師の先生からレクチャーで視点や見方を教わった後に、参加者のみならず、スタッフ、講師の方々と共に、鞆の浦を散策して、ただ歩くだけでなく、写真を撮影しながら、知恵を絞るプロセスそのものが楽しく、至福の時間でした。
- 全く知らなかった地域の研究方法や写真を撮って分析することなど知ることができて勉強になりました。また、体を動かしながら地域のことを知ることができました。懇親会での参加された方とのお話を気軽にできたことも良かったです。他の地域でも今回のことを参考に見れるようになれればと思いました。また鞆に行きたいなと思いました。
- 毎年続けて欲しいです。
参加者へのメッセージ
福山市にゆかりのある方が何人か参加しておられ、地元の魅力を再発見することができたという感想を聞くことができました。
この経験を通してそれぞれの地域で地域診断に取り組むだけでなく、地元で医療をしたいと思うようなきっかけになれば良いなと思います。
次回開催に向けて
今回は「地域を知る技術を学ぶ」がメインでした。
地域の健康問題に対応していくためには更なる学びが必要です。
次回以降はより実践に落とし込んでいく学びの場を作っていきたいと思います。
関連情報
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