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「第66回なんでも症例検討会」が開催されました!

開催日時

2023年10月28日(土)

 

開催場所

Amber(広島市中区)+ZOOMを使ったWEB開催

 

主催

なんでも症例検討会

代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)

 

参加者

合計:35名(初期研修医:2名,後期研修医:7名,卒後6~9年目の医師:13名,その他医師:13名)  

 

  

 

実施内容

なんでも症例検討会をハイブリッド開催で2023年10月28日に開催しました。今回は症例検討1例+レクチャーのスタイルでした。
症例提示は三原医師会病院の露木佳弘先生から、脂質異常症や内頸動脈狭窄の既往がある70代男性で全身浮腫、下肢筋痛の症例プレゼンテーションでした。10日間の急性経過で顔面浮腫や四肢の浮腫が出現し、両下肢痛を自覚しており、診察では両眼の上下眼瞼に浮腫性紅斑を認めておりました。バイタルサインはプレショックで、血液検査で著明な筋逸脱酵素の上昇、腎機能低下、低アルブミン血症、炎症所見を認めました。皮疹や浮腫からは悪性腫瘍関連の皮膚筋炎(抗TIF1γ抗体、抗NXP2抗体)、傍腫瘍症候群も考慮されますが、経過がかなり急であり、体重減少などの病歴もはっきりしません。連鎖球菌によるToxic shock-like syndromeや種々の原因によるcapillary leak syndromeも考慮されました。よく見ると、低蛋白血症やhemoconcentration(ヘモコン:血液濃縮)もあり、感染性>自己免疫性によるsystemic capillary leak syndrome(SCLS)と臨床的に考えました。追加の検査では、血液培養は4セット陰性、単純CTで骨格筋周囲の毛羽立ちを認め、MRIでは局在のない広範なT2 HIAを認め、筋炎というよりは横紋筋融解症の所見でした。背景疾患のスクリーニングで免疫電気泳動や自己抗体検査など行いましたが、抗Ro60抗体のみ陽性で病的意義は不明でした。臨床経過として、短期間グルココルチコイドの投与を行い、炎症所見や全身状態は改善し、退院となっています。SCLSと分かれば背景病態を調べるという流れで対応できるため、こういった病態を思いつけるかどうかがポイントとなった症例でした。
レクチャーは市立奈良病院の高岸勝繁先生より、「EGPAとHESの狭間」というタイトルで、hypereosinophiliaを来たすこれらの疾患の鑑別の仕方を詳しくレクチャーしていただきました。具体的な症例を提示いただいた後に、EGPAの病態・分類基準をおさらいしました。1) Prodromal phase、2) Eosinophilic phase、3) Vasculitic phaseのうち2つのみ[1)+2)もしくは2)+3)]の臨床経過である場合はidiopathic HES(iHES)とするべきかEGPAとするべきかについて、高岸先生ならではの切り口で教えていただきました。EGPAがHESと比較して多い臨床所見では、冠動脈血管炎、紫斑、糸球体腎炎、多発性単神経炎、肺胞出血であること、最新のEGPA分類基準(ACR/EULAR2022)は全身性血管炎のデータベースを用いて策定された基準なので、HESとの鑑別には使えないことを教えていただきました。専門的な内容が多かったですが、明日から使える知識ばかりでしたね。

お忙しい中レクチャーをしていただき誠にありがとうございました。

  

主催者からの声

なんでも症例検討会はコロナ禍後はWEBもしくはハイブリッド形式で開催しています。

参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの、学生の方や初期研修医の方々も参加は自由ですので、今後もぜひご参加ください。メーリングリストがありますので、メーリス参加ご希望の方は中西(y_nakanishi0520@yahoo.co.jp)までご連絡ください。

 

参加者の声

今回の症例検討会はどうでしたか?

「名前は聞いたことがある疾患できたが経験はないので全然鑑別にあがりませんでした。勉強になりました。」
「私は存じ上げない疾患だったので勉強になりました。先生方の考え方の流れがわかりとても良かったです。」
「考えることが多い非常に良い症例だったと思いました。」
「いろいろプロブレムがあり難しい症例でした。」

 

今回のレクチャーはどうでしたか?

「途中までは何とかついて行けて勉強になりました。後半はかなり難しかったです。」
「臨床的に迷うこともあったため、大変参考になりました。」
「HESはなかなか聞きなれない疾患でした。提示してくださった様々な症例をじっくり勉強させてもらいます。」

 

参加者へのメッセージ

若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで、毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。

意欲のある方は是非気軽に参加してみてください。

 

次回開催に向けて

次回の日程は大和高田市立病院の米本仁史先生をお招きして、2024年2月23日(祝)に現地+WEBのハイブリッドで開催予定です。

今後の予定についてはメーリングリストやFacebookなどでも情報を流しますのでご確認ください。

また、症例検討会での症例提示していただける方を募集しますので、ご協力いただける方は中西(y_nakanishi0520@yahoo.co.jp)までご連絡ください。
 


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