旅行がきっかけで好きになった広島で
手厚く充実した研修ができ進路も拓けた。
広島赤十字・原爆病院 初期臨床研修医(2年目)
古城 直人 先生
プロフィール
大分県生まれ
- 2021年
- 大分大学医学部医学科卒業
- 2021~2023年
- 広島赤十字・原爆病院 初期臨床研修医
初期臨床研修先として広島赤十字・原爆病院を選んだのはなぜですか。
大学卒業までずっと大分県内で過ごしたので、初期臨床研修を機に、一度は九州を出て生活してみたいという願望がありました。大都会へ行きたいのなら関東・近畿都市圏という選択肢もありましたが、「どんな街に住みたいか」を考えて、広島市に決めました。旅行で訪れて以来、なんとなく街の風景が好きだったことや、大分からの移動時間や都市規模も過ごしやすそうと感じたことが決め手です。
ですから研修先の病院は、立地を広島市内に絞った上でいろいろな病院を調べて検討し、広く診療科を経験して進路を決めたいと思っていたため、ある程度の規模があるところを選びました。
広島赤十字・原爆病院での初期臨床研修の特徴を教えてください。
立地の良さはもちろんのこと、日中は救急専門医の先生の指導下でウォークイン・救急車、軽症~重症すべての症例に携わることができる体制があり、両極端ではない研修の忙しさで、福利厚生も充実しており、とてもバランスの良い研修ができる病院だと思います。
診療科もたくさんあり症例数も豊富ですし、造血幹細胞移植や手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いるような難しい症例から、common diseaseまで、幅広く経験することができます。
また比較的自由度が高く、「とにかくその科の基本知識を取得できる」「担当医でも指導の下積極的に方針決定できる」「より多くの症例を担当できる」「より発展的な手技を経験できる」など、同じ科を回っても研修医一人一人の希望に対応してもらえる柔軟さがあり、自分には合っていたと思います。
2年間の研修を行ってどのようなことが印象に残っていますか。
研修が始まったばかりの頃は、先生方の指導や指示について行くのが精一杯で、なかなか自分で考えるところまで及ばなかったことを覚えています。今振り返ってみると、自分で何が理解できていて、何が理解できていないのかも分からない状態からのスタートでした。少しずつ知識を身につけ、経験を重ねていくことで、理解を深めるための糸口をつかめるようになりました。
先生方には常に丁寧に指導していただき、手厚いバックアップのもと、いろいろと経験させてもらうことができました。もうすぐ臨床研修は修了しますが、とても充実した研修期間だったと実感しています。
これからの進路について教えてください。
心臓の動きや血圧など循環動態や呼吸状態を診ながら全身管理をすることへの関心が高まり、麻酔科専門医を目指すことに決めました。4月からは広島大学病院で専門研修を行います。まずは必要な知識や技術を身につけ、専門医として質の高い麻酔を提供できるようになることが当面の目標です。
さらに関心のある分野については大学院へ行って研究することも考えています。ただ、やってみないと分からないことも多いので、働き方も含め、自分の適性や関心をその都度見極めつつ、進んでいきたいと思っています。
広島での生活の印象はいかがですか。
SUPをしながら眺めた街の景色
たまに強烈な広島弁を耳にしてビックリすることもありますが(笑)、慣れ親しんだ大分とは違った景色が広がり、日々新鮮な刺激を受けられています。生活環境はとても便利で快適です。個人的に気に入っているのが、水辺の風景です。広島市内には多くの川が流れていて、街中でありながら自然を身近に感じられるのが、とても心地いいですね。川沿いをランニングすることもありますし、去年の夏にはSUP(スタンドアップパドルボード)のボードを買って、川でのクルージングにも挑戦しました。
初期研修期間中はコロナ禍で何かと制限されたことも多かったので、今後はさらに活動の幅を広げていけたらと思っています。
最後に、広島での研修に興味を持っている方へ、メッセージをお願いします。
就職時に勤務地を自分で選べる職業は、なかなか他にはありません。出身地や所属大学のある場所以外にも目を向けて、知らない街で新生活を始めてみるのもいいのではないでしょうか。特に深く考えずに県外に出てみるのもおもしろいと思います。私は引き続き広島に残る選択をしましたが、たとえ初期研修で県外に出たとしても、後期研修など、地元に帰る機会はあると思います。私のように、旅行で訪れて好きになった街、住んでみたいと思った街という視点で選ぶ人は少数派かもしれませんが、私は広島に来て、職場でも外でも楽しめています。
(2023年2月)
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