開催日時
令和5(2023)年2月18日(土)
開催場所
ZOOMでのWEB開催+レンタルスペースAmber会場
主催
なんでも症例検討会
代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
参加者
合計:29名(医学生:3名,初期研修医:5名,後期研修医:3名,卒後6~9年目の医師:6名,卒後10年目以上の医師:12名)
実施内容
なんでも症例検討会をWEB+現地開催で2023年2月18日に開催しました。
今回は,県立広島病院リウマチ科の賴島愛先生より症例提示1例と,洛和会丸太町病院救急・総合診療科の吉川聡司先生よりレクチャーの組み合わせで行いました。
症例提示は,腹痛で救急受診し,異常な高血圧,意識障害を来した中年女性の症例でした。
救急受診後,可逆性後頭葉白質脳症と診断がついたものの,背景病態が不明のまま炎症反応上昇,腎機能低下,血小板減少を来たし,診断未確定でステロイドが投与された状態で,前医より紹介された一例でした。
腹痛の原因が副腎梗塞と考えられたこと,免疫抑制治療に反応する血小板減少や腎機能障害であったことなどから,劇症型抗リン脂質抗体症候群,免疫疾患関連の血栓性微小血管障害症,TAFRO症候群などが疑われました。
骨髄で細網線維化を確認し,ステロイドの減量で腎機能低下や血小板減少が再燃し,全身浮腫も来したことから,TAFRO症候群と診断されました。
その後の腎生検病理でも膜性増殖性糸球体腎炎様の障害,血管内皮障害が著明であり,診断の裏付けになっています。
副腎梗塞を来すTAFRO症候群は多数報告されており,かなり診断に特異的な所見である可能性が示唆されます。
レクチャーでは,洛和会丸太町病院救急・総合診療科の吉川聡司先生より『CT読影が上手になる読み方』というタイトルでお話していただきました。
意識して全ての臓器を順番に見ること,読影依頼はコンサルテーションだと思うこと,ウィンドウをいじって画像を見てみること,産科疾患を見るときのポイントなど,たくさんのパールを教えていただきました。
また,CT読影について質問してもらって喜ぶ医師ほど,よく読影できる医師だということも,今後の診療面で非常に勇気づけられるメッセージだったと思います。
幅広い情報を提示していただき,非常に勉強になりました。
お忙しい中,レクチャーいただき誠にありがとうございました。
主催者からの声
なんでも症例検討会は,もともと奇数月の第3土曜日を中心に,広島県内の総合診療・救急関連の医師が集まり開催していましたが,一昨年度からコロナウイルス感染拡大の影響を受けてWEBもしくはハイブリッド形式で開催しています。
参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの,学生や初期研修医の方々も参加は自由ですので,今後もぜひご参加ください。
メーリングリストがありますので,メーリングリスト参加ご希望の方は,中西(y_nakanishi0520@yahoo.co.jp)までご連絡ください。
参加者の声
今回の症例検討会はどうでしたか?
- 経験したことがない症例であり,非常に興味深かったです。
- 賴島先生は一発診断されてましたけど,大変難しいケースだと思いました。
- TAFRO症候群のおさらいができてよかったです。
- SLE APSだと思って聞いていました。
今回のレクチャーはどうでしたか?
- 実践的な内容で大変勉強になりました。
- ハイレベルな部分がありましたが,非常に勉強になりました。
- 画像所見の定義を見直すことができて大変勉強になりました。
参加者へのメッセージ
若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで,毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。
意欲のある方は是非気軽に参加してみてください。
次回開催に向けて
次回の日程は,広島大学病院の音成秀一郎先生をお招きして,2023年7月にWEBで開催予定です。
今後の予定については,メーリングリストやFacebookなどでも情報を流していく予定ですのでご確認ください。
また,症例検討会での症例提示していただける方を募集しますので,ご協力いただける方は中西までご連絡ください。
関連情報
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