開催日時
令和4(2022)年9月17日(土)
開催場所
ZOOMでのWEB開催
主催
なんでも症例検討会
代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
参加者
合計:37名(医学生:1名,初期研修医:9名,後期研修医:6名,卒後6~9年目の医師:6名,卒後10年目以上の医師:13名,その他の職種:2名)
実施内容
なんでも症例検討会を完全WEB形式で9月17日に開催しました。
今回は,広島大学病院の原武先生より症例提示1例と,南多摩病院の國松先生よりレクチャーの組み合わせで行いました。
症例提示は,リウマチ性多発筋痛症の既往のある高齢女性で,急性経過の発熱・全身痛で来院された一例でした。
見当識障害や関節炎もあり,感染性心内膜炎,尿路感染+多関節の偽痛風,悪性リンパ腫(特に血管内悪性リンパ腫)を疑い精査しましたが,肝障害著明で高フェリチン血症,重症感染を疑う電撃性紫斑病などから重症感染症を疑い,日本紅斑熱と診断された一例でした。最後まで紅斑ははっきりせず,刺し口も見つからない中でよく診断できた一例だったと思います。居住区が好発の地区であったことも手がかりの一つになった症例でした。
最後に,南多摩病院の國松淳和先生より,不明熱・不明炎症のアプローチというタイトルで診断に至る考え方についてレクチャーをしていただきました。
いきなりプロブレム毎に細かい鑑別を上げ過ぎないこと,5つのパターン(菌血症系,リンパ腫系,GCA系,高体温系,エピソード反復系)に分けて考えることで,診断までの時間を短くするなど,眼から鱗の内容ばかりでした。不明熱外来をされている國松先生ならでは,高体温系の患者さんに実際どのような声かけやアドバイスをするかも教えていただき,明日から実践できる内容となっていました。
お忙しい中誠にありがとうございました。
主催者からの声
なんでも症例検討会は,もともと奇数月の第3土曜日を中心に,広島県内の総合診療・救急関連の医師が集まり開催していましたが,一昨年度からコロナウイルス感染拡大の影響を受けてWEBもしくはハイブリッド形式で開催しています。
参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの,学生の方や初期研修医の方々も参加は自由ですので,今後もぜひご参加ください。
参加者の声
今回の症例検討はどうでしたか?
- 教訓の多い症例で勉強になりました。
- 皮疹のない重症リケッチアとのことで大変勉強になりました。私も和歌山という日本紅斑熱の有病率が高い地域で働いているので,注意したいです。
- 日本紅斑熱の解像度上げることができました。
- 皮疹のない日本紅斑熱を今回初めて知ったので,今後の診療に生かしたいです。
- 日本紅斑熱やリケッチアはなかなか鑑別にあがりませんでした。これから気をつけようと思います。
- タイムリーで不明熱の患者さんがいまして,不明熱に対するアプローチを改めて復習,新たな発見等があり大変勉強になりました。
- 尿路感染かなくらいと思ったらびっくりした。
今回のレクチャーについて感想・ご意見をお願いします。
- 不明熱の中でのカテゴリーの分類法と具体的なカテゴリーの分け方について,大変勉強になりました。
- 國松先生の考え方を聞けてよかったです。
- 不明熱のアプローチのしかたについてわかりやすい切り口で話していただいて,面白かったです。
- 不明熱診療をおさらいできてよかったです。また,高名な國松先生も高体温症の患者さんの診療に苦慮されていることが印象的でした。
- 何となく思っていたことが言語化されてすっきりした。
- Kunimatsu’s listで箇条書きの本に何の意味があるかと思ったが,今回の講演聞いて事前前確率上げての診断みたいな感じだと感じた。
- 不明熱へのアプローチの仕方は初めて聞く内容であり,とても勉強になった。
参加者へのメッセージ
若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで,毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。
意欲のある方は是非気軽に参加してみてください。
次回開催に向けて
次回の開催の日程は2022年11月です。
今後の予定についてはメーリングリストやFacebookなどでも情報を流していく予定ですのでご確認ください。
関連情報
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