開催日時
令和4(2022)年2月5日(土)
開催場所
WEB+現地のハイブリッド開催
主催
なんでも症例検討会
代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
参加者
合計:32名(医学生:3名,初期研修医:3名,後期研修医:10名,卒後6~9年目の医師:5名,卒後10年目以上の医師:11名)
実施内容
なんでも症例検討会をハイブリッド形式で2月5日に開催しました。
今回はいつもの症例検討2例とレクチャーの組み合わせで行いました。
症例検討1例目は,太田川病院の中西先生より,喘息既往のある高齢女性の労作時呼吸苦のプレゼンでした。呼吸音でwheezeあり,PFTでも閉塞性換気障害がありますが,喘息以外のアレルギー要素なく増悪因子もなく咳嗽もない。ECGでV1,2の陰性T波,単純CTで肺野にmosaic perfusionあり,肺動脈も太く見える。結局,CTEPHでした。身体所見上volume overはないので心不全は否定しましたが,wheezeに引っ張られて気道病変の鑑別(COPD,TB,気管支腫瘍)ばかりに目がいってしまいましたが,高齢者の労作時呼吸苦では肺塞栓の鑑別は外せないことを改めて認識した一例でした。
2例目は,広島大学病院の賴島先生より,生来健康な若年女性の片側性の不随意運動の症例でした。粗大な不規則な動きが右側の口唇・上下肢にあり,舞踏様運動と判断されました。MRIや髄液検査などでも原因となる大脳基底核周囲のstrokeや感染症はなさそうで,APTT延長をきっかけに抗リン脂質抗体(aPL)関連舞闘病と診断した一例でした。本例でも数週後に脳梗塞を発症していましたが,aPL抗体価がかなり高い例で舞踏運動が出るので今まで血栓症発症してなくても血栓ハイリスクである点に注意が必要ですね。
最後に,洛和会丸太町病院上田剛士先生より,胸壁腹壁症候群について部位別に10項目レクチャーをしていただきました。Cervical angina,precordial catch,Tietze症候群,ACNES,Mondor病,腹直筋鞘血腫など様々な疾患・病態がおさらいできました。そして鑑別に必要な部位別に取るべき身体所見も解説していただき,明日から実践できる内容となっていました。
お忙しい中誠にありがとうございました.
主催者からの声
なんでも症例検討会は,もともと奇数月の第3土曜日を中心に,広島県内の総合診療・救急関連の医師が集まり開催していましたが,昨年度からコロナウイルス感染拡大の影響を受けてWEBもしくはハイブリッド形式で開催しています。
参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの,学生の方や初期研修医の方々も参加は自由ですので,今後もぜひご参加ください。
参加者の声
今回の症例検討はどうでしたか?
- どのようなことを念頭において診断を進めていくか,また症例報告の流れについても勉強になりました。
- 知らないことばかりで非常に勉強になりました。
- 2症例とも非常に勉強になりました。
- Common Diseaseと珍しい疾患の2本立てで,バランスが良かったと思います。
- コモンからレアな疾患の胸痛からPE,APS関連疾患を勉強出来てとても満足度が高かったです。今日学んだことをこれからの診療の参考にさせて頂きます。
- いつもながら非常に良かったです。
- 中西先生のケースは,日常臨床に隠れていてハッとするケースだと思いました。頼島先生のケースは知らないもので勉強になりました。
今回のレクチャーについて感想・ご意見をお願いします。
- 内容はとても難しかったですが,大変勉強になりました。
- ある程度学習していたつもりでしたが,知らないことが多く勉強になりました。
- 胸腹壁症候群のまとまったレクチャーは初めてで感動しました。日々の臨床に生かしたいと思いました。
- 今までには聴いたことがない分野でとても勉強になりました。
- 大変参考になりました。筋骨格系の胸痛に関してあまり掘り下げたことはなかったので,これからに活かしていきたいです。
- 上田先生の話はわかりやすくていいですね。
参加者へのメッセージ
若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで,毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。
意欲のある方は是非気軽に参加してみてください。
次回開催に向けて
次回の開催の日程は2022年7月です。
今後の予定についてはメーリングリストやFacebookなどでも情報を流していく予定ですのでご確認ください。
関連情報
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