開催日時
令和3(2021)年9月18日(土)
開催場所
WEB開催
主催
なんでも症例検討会
代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
参加者
合計:40名(医学生:4名,初期研修医:3名,後期研修医:8名,卒後6~9年目の医師:9名,卒後10年目以上の医師:16名)
実施内容
なんでも症例検討会をWEB形式で9月18日に開催しました。
ZOOMのチャット機能を使って質問などを受け,症例検討を1題,講演を1題行いました。
症例は,天理よろづ相談所病院の西垣内先生から1例提示していただきました。症例は乳癌の既往があり,1ヶ月前に気管支喘息と診断された中年女性でした。乾性咳嗽,呼吸苦を主訴とし,胸部CT検査では片側性にすりガラス陰影,空洞を伴う浸潤影があり,侵襲性肺アスペルギルス症,敗血症性塞栓,PCP/CMV肺炎,抗酸菌感染症など鑑別にあがる状況でした。しかし,バイタルサインからは熱や肺炎の程度に比較して頻脈が強く,Dダイマー高値,Aa-DO2開大があり,乳癌の再発も分かっていたことから,肺血栓塞栓症(PE)/肺梗塞と診断できました。単純CTで急性期のPEは白っぽく映る点,肺梗塞で空洞影が出うることなど,非常に勉強になりました。
講演では,洛和会丸太町病院の吉川聡司先生に,「一人で読解力を鍛えるための胸部X線写真の読み方,考え方」というタイトルでお話していただきました。気胸縦横骨軟チューの読み方で,遠くから満遍なく見ることが大切であることを改めて学びました。右斜位で縦隔が小さく見えること,心不全では肺尖部の再分布(redistribution)が見られること,縦隔の異常陰影はparatrachial stripeを意識して見ることなど,さまざま勉強になりました。白黒反転のテクニックで横隔膜下の異常陰影に気づきやすくなることも明日から実践できて非常にためになりました。
主催者からの声
なんでも症例検討会はもともと奇数月の第3土曜日を中心に,広島県内の総合診療・救急関連の医師が集まり開催していましたが,昨年度からコロナウイルス感染拡大の影響を受けてWEB形式のみで開催していました。今後はWEB形式+対面で開催を予定します。
参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの,学生の方や初期研修医の方々も参加は自由ですので,ぜひご参加ください。
参加者の声
○ケースディスカッションについて
・実際に診ているときに診断できているかどうか,と思いながら聞いていました。
・勉強になりました.PE診療を改めて見直そうと思いました。
・カンファレンスでは想起しやすいと思いますが,現場では見逃してしまうかも。
・どういうところに着目して鑑別を上げていくかとても勉強になりました。症状に比べて画像の重症感がどうかというのも大切な情報なんだとわかりました。
○レクチャーについて
・改めて自分の読影が甘いことを感じました。
・久々にしっかり胸写について講義を聞くことができてよかったです。
・胸部X線を系統立って教えて頂いたのは初めてで,非常に勉強になりました。
・知らないサインも出てきて新しく勉強することのきっかけをいただけた。
・普段何気なく見ているCXRを,学び直す非常に良い機会となりました。
参加者へのメッセージ
若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで,毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。
意欲のある方は是非気軽に参加してみてください。
次回開催に向けて
次回の開催の日程は2021年11月27日(土)です。
今後の予定についてはメーリングリストやFacebookなどでも情報を流していく予定ですのでご確認ください。
関連情報
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