第55回なんでも症例検討会
開催日時
令和2(2020)年10月17日(土)
開催場所
WEB開催
主催
なんでも症例検討会
代表: 吉田 雄介 先生(広島大学病院 リウマチ・膠原病科)
参加者
合計:15名(初期研修医:2名,後期研修医:3名,卒後6~9年目の医師:4名,卒後10年目以上の医師:6名)
実施内容
なんでも症例検討会をWEB形式で10月17日に開催しました。いつもとは違う形式でZOOMのチャット機能を使って質問などを受け,症例検討を4題行いました。
症例は,広島大学病院リウマチ・膠原病科から2例,同院救急科から1例,三原市医師会病院から1例提示していただきました。
1症例目は,20代女性で皮疹のない右側頭部痛で発症した三叉神経第1枝領域の帯状疱疹の症例でした。2日後に初めて皮疹が出現しましたが,頭痛の性状や病歴から一次性頭痛ではなさそうで,除外診断的に皮疹が出る前の帯状疱疹の可能性があることを事前に患者さんに伝えておくことが大切でしたね。
2症例目は,70代男性で手の震えで来院された糖尿病性舞踏病の症例でした。不規則な速い不随意運動で静止時に出現するため,舞踏病が疑われました。hemiballism-hemichoreaの原因の一つとして糖尿病患者の非ケトン性高血糖を疑いましょう。
3例目は,発熱・腰痛で来院した90代女性でした。CVA叩打痛陽性,細菌性膿尿あり当初は急性腎盂腎炎が疑われましたが,腰背部が遷延し,psoas兆候陽性で最終的に腸腰筋膿瘍と診断されました。造影CTなどの画像検査でも,早期には検出不良である可能性が十分あるため,今回のように身体所見から疑われる場合に画像での評価が良いと考えられました。
4例目は,60代男性で発熱・体動困難で救急受診された症例でした。当初は熱中症が疑われて対応されましたが,頻呼吸が遷延し,胸部CTで両肺野にすりガラス陰影が確認されました。季節が8月で自宅の環境が不衛生であったこと,抗トリコスポロン・アサヒ抗体陽性から,夏型過敏性肺臓炎と診断されました。アンカリングに気を付ける必要があることを実感した症例でした。
主催者からの声
なんでも症例検討会は,もともと奇数月の第3土曜日を中心に,広島県内の総合診療・救急関連の医師が集まり開催していましたが,今年度はコロナウイルス感染拡大の影響を受けて自粛していました。
今後,しばらくはWEB形式で開催を予定します。参加者は常連の後期研修医以降の先生が多いものの,学生の方や初期研修医の方々も参加自由ですので,ぜひご参加ください。
参加者の声
- 多くの鑑別疾患を考える良い機会になりました。(初期研修医)
- 参加者のコメントの積極性が強く良い雰囲気だったと思います。(卒後6~9年目の医師)
- 出題された症例がアンコモン過ぎず,非常に勉強になりました。(卒後6-9年目の医師)
- 程良く楽しめました。ありがとうございました。(卒後10年目の医師)
参加者へのメッセージ
若手からベテランまで様々な場所で仕事をしているメンバーで,毎回少しでもレベルアップできることを目標に開催しています。
意欲のある方は,是非気軽に参加してみてください。
次回開催に向けて
次回のWEB開催の日程はまだ未定です。
今後の予定についてはメーリングリストやFacebookなどでも情報を流していく予定ですのでご確認ください。
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