[086] 初期研修後の進路について(回答:7件)
相談(2020年9月15日)
初期研修2年目の女性医師です。キャリアプランについて相談させてください。
初期研修途中ですが,現在10ヶ月になる第一子の子育て中,1歳になるまで育休を取得しています。
育休終了後は院内保育に子供を預けながら残りの初期研修を消化する予定ですが,現在悩んでいるのは,初期研修後の進路についてです。
当初は研修後,出身大学の医局に入局し後期研修プログラムで専門医の取得をするものと考えておりました。
しかし,実際子育てをしてみると想像よりずっと子育てが楽しく,子が小さいうちはなるべく子育てに重きを置きたいと思う気持ちがずっと強くなり,また,2人目も欲しいという気持ちが出てきました。
私の夫は後期研修中の医師であり,今後転勤が増える予定です。
医師3年目として,子育てと仕事を両立するにあたり自分の希望と合わせた今後のプランが見えず困っています。
3年目から医局に所属し専門医を目指すべきか(その場合夫の転勤先について行けるのか),一度仕事を離れて子育てに集中し落ち着いてから専門医を目指すべきか,医局に所属しない働き方はどのようなものがあるのか,誰に相談して良いものかもわかりません。
子育てを経験した医師の方、体験談やアドバイスが頂けると幸いです。
初期研修医2年:女性医師
回答1(2020年9月17日)
回答の前に,1つ質問させてください。
あなたにとって,子育て期間っていつまでですか?
子どもはかわいいので,じっくり子育てに取り組みたい気持ちもわかりますが,出産と同時にパート医師になって子どもが社会人になってもフルタイムに戻れない女性医師を沢山知っています。そのうち介護,孫育てが忙しくて仕事は片手間で一生を終えることになりそうです。
とりあえず,保育園を利用しながら専門医を目指す道はいかがですか?
保育園は5時までなら周りに頭をさげながら帰るのも許されると思うし,代わりに土曜日の日直を買って出るという方法もあります。
女性は器用なので意外と同期の男性医師よりも飲み込みが早かったり,手際が良かったり,コミュニケーション能力が高かったりするので現場では重宝されます。
子持ちは専門医を諦めろという医局には最初から入局しないことです。
ご主人の転勤は悩ましいことですが,あまり先回りしないで困ったときに上司に相談するのがいいと思います。
意外と遠くへの転勤がないこともあるし留学もあるかなと楽しみにしていたら短期で帰ってきて,ついていく暇もなかったりします。本当に遠くへの転勤が決まってしまったら無理に別居しなくても行った先の医局に紹介してもらうこともできます。
引き続き専門医を目指すことも可能です。医局を親代わりと思って相談に乗ってもらうことです。入局しないという選択肢は無いと思います。どうしても不便な場所だったら何年か検診などの仕事をしてみても視野が広がるし,専門医の研修期間には猶予措置があるはずです。
昨今のことですから奥さんの仕事を理由に転勤したくないと,ごねる男性医師もいるかもしれません。
最後に,子育ては本当に楽しいので,しっかり楽しんでください。でも,子どもは子ども,自分は自分の人生をちゃんと歩めるように仕事も60点くらいは頑張っておかないと空の巣症候群はつらいですよ。
私は仕事も子育ても50点くらいですが巣立っていった子供達に相手をしてほしくて,ラインしまくって、うっとうしがられています。
子育ても仕事もできるって本当に恵まれていると思いませんか?
子育てと仕事の両立なんてマイナスイメージは持たずに明るく前向きに生きていきましょう。
ただし,体を壊さないように、家事はしっかり手抜きしてください。
50代女性医師
回答2(2020年9月17日)
初期研修終了後,二人目の出産育児等まで育児に専念してから入局した場合,周囲の同期との年齢等のギャップがあること,初期研修時代の経験の記憶も手技も薄れてしまう可能性があります。
実際,現診療科以外の当時の経験を聞いても,あまり記憶にないという専攻医が多いように思います。
復帰は相当の覚悟がないと難しいのかなと思います。
医局に所属せずに,しかも初期研修を終了しただけの医師を雇って指導してくれる診療所は少ないのではないかと考えます。
関東の方で医局に所属せずに働いている人は専門性を高めるために積極的にやっているので,技術や経験を買われて次の職場を斡旋されている状況かと想像します。
せっかくのキャリアなので子育てと並行して専門診療科で研修されることを考えてみられてはいかがでしょうか。
育児との両立や支援についての医局や病院の意識は上がりつつある時代になってきていると思います。
女性医師
回答3(2020年9月17日)
子育てとキャリアは両立します。
させるのです。
子育てが落ち着くことはないです。
大学に子どもが行くまで母親の仕事は山もりです。
みすみす研修の機会を逃すと医師としてのアイデンティティーが揺らぎますよ。
働くかっこいい母さんの背中を見て子どもも自分も頑張ろうと思えるのでは。
親御さんがしてくれたように子どもにもしてあげたい思いはわかりますが,今は令和ですよ。
女の人も働く時代です。
為せば成るです。
女性医師
回答4(2020年9月17日)
現在第一子(2歳)を子育て中です。卒後9年目になります。
夫も医師で現在夫婦でフルタイム勤務中,子供は地域の認可保育所で7:00〜19:00までの保育を利用しています。
私も1年間育休取得後,復帰しました。
まず医局に所属するかどうかですが,現在の専門医制度においても医局に所属しなくても専門医取得のプログラムを持つ病院(ある程度の規模の基幹病院)は色々あるので必ずしも所属する必要はないと思います。
ただ,都道府県によっては医局に所属していないと働くにあたり肩身の狭い思いをする地域もあるので,そこは地域によりけりだと思います。
質問者様が働かれる地域が広島であれば,上記の理由から医局に所属している方が絶対いいと思います。
私は広島や複数の他県で勤務経験があり,現在も県外で働いていますが,県によってその辺りの事情はだいぶ違いました(広島のようなところもあれば、大学の医局に属さず後期研修をすることが全然珍しくない県もありました)。ご自身の働く予定の都道府県の実情と照らし合わせてご考慮下さい。
ちなみに私も夫の転勤に帯同するため複数回転勤しましたが,転勤先は医局に斡旋してもらえたのでスムーズでした。
勤務先が大学病院だった時は初期・後期研修中に出産する女医さんも多かったので,どの科でも管理職のDr.は対応には慣れている感じでした。
専門医を取るかどうかについては配偶者の転勤に合わせて今後も転勤が予想される質問者様だからこそ,取られた方が絶対良いと思います。
初期研修修了後数年程度の後期研修医であればあまり問われませんが,それ以上の卒後年数になっても専門医資格を取っていないと転勤にあたっての採用会議で落とされる可能性があります。
医師免許があれば就職活動は難しくないと一般に思われがちですが,それは場所を選ばなければの話です。意外と医者の就職活動、厳しいです。
今後2人目,3人目とお子さんが増えることを想定し,少しでも福利厚生が良い職場を自分で選べる方がいいと思うので,そういう意味で専門医は絶対取っておいた方がいいと思います。
今の時代は、男女共に子育てしながらでも後期研修を修了できるように配慮することを管理者は考えないといけない時代なので,定時帰りを約束してもらうなどは交渉次第でなんとかしてもらえると思います(私は夫が当直や出張が多いのでなんとかしてもらっています)。
育休中を振り返ると、今は育休中より娘と接する時間(日中)は減りましたが,日々保育園で色んな新しい事を覚えてくる娘は以前にも増して可愛さ爆発です。
親以外にも子供を理解して成長を見守ってくれる存在がいて良かったなと思っています。
女性医師
回答5(2020年9月17日)
一般内科医、医局には属していません。
医師六年目で第一子を妊娠したので相談者さんの状況とは異なるとは思いますが,参考になれば。
広島で過ごすのであれば医局に入った方が専門や資格,ライフスタイルに沿った職場選びは相談にのってもらいやすいと思います。
ご主人の転勤との兼ね合いは医局によって異なると思うので何とも言えませんが。
医局に属さない場合,やる気次第で勉強はなんとでもなるのでしょうが,自分のライフスタイルにあった職場を見つけるには当たり前ですが,自分で探したり交渉したりする必要があります。
エージェントさんを通すにしても同じことです。
「あなたは何ができますか?」と聞かれたときに
「これができるので雇ってください。」と言えるものがあると就職先には困らないと思います。
子育てが落ち着いてから,という考え方はそれぞれの家庭によって異なるとは思いますが,10年以上先のことになるのかなぁと思います。
それまで全くお仕事から離れるよりは少しずつでもお仕事を続けられた方が復帰しやすいと思いますよ。
女性医師
回答6(2020年9月18日)
こんにちは。3児の母をしています。40代です。開業医になって数年です。
医局に属するかどうかですが,私は理解してくださる上司がいるかどうか,が鍵かと思います。
自身の境遇を分かってもらい,キャリアプランや働き方,職場など、配慮していただけるのかどうか。
残念ながら上司の協力なしでは仕事はできません。もう,独り身ではなく母なのですから。
そういう気遣いがお互い負担になるようであれば,医局を離れる他ないのだと思います。
医局にいるのがベストとも言い切れませんし,病院独自のシステムがあるところもあります。
子育て中ずっと勤務医をしてきて思うのは,同僚の人数が多いほど子育て中は働きやすいと思います。
急な熱などで仕事の穴が人数が多いほうが埋まりやすいです。なので,医者が集まりやすい大学病院に子育て女医さんたちも集中するのではと思います。
私は大学病院ではなく市中の総合病院勤務でした。院内で私のような女医は数人しかいませんでした。
育児に対する考え方は十人十色です。どっぷり育児に浸かりたい人もいますし,それはそれで自分の思うように育児したらよいと思います。
私は専業主婦は無理な性格なので3回産休育休を繰り返し,同じ病院で働き続けました。
仕事の向き合い方も人それぞれです。
私は仕事が好きだし,患者様から必要とされている肌感覚もあったので辞めようとは思いませんでした。
あなたの人生,あなた自身が決めれば良い。そこは誰かに言われてやるのでは後悔しそうです。もちろん,子育ても楽しいです(私は子供大好きな小児科医です)。
悩んでいる先生を心から応援したい気持ちでいっぱいです。
昔の私を見ているようで投稿させて頂きました。頑張ってくださいね。応援しています。
40代女性医師
回答7(2020年10月7日)
卒後6年目外科系診療科です。
今年専門医試験を受験しました。
私は卒後4年目(専攻医2年目)に第1子を出産しました。
はじめは市中病院の専攻医プログラムだったので医局に所属していませんでした。
上司に妊娠を伝えたところ,専攻医なのに子ども作るなんて非常識,いつまで当直できるの?
と直接言われたので辞めて医局に入局しました。(確かにその病院は非常に忙しくて月8回当直は当たり前,それ以外の時間外呼び出しも頻繁だったので私が産休をとる=人数が少なくなる,医局からの補充もない,で大変なことになるのは目に見えていたので当然のお言葉だと思いました。年度末まで勤めて円満に退職したのでマタハラではありません(笑))
入局してからは異動もありましたが,理解ある上司に恵まれて妊娠34週まで働き産休に入りました。
専攻医プログラムでは産休育休,病休など中断期間が半年以内であれば休みも研修期間としてカウントしていただけるとのことで,キッチリ育休含め半年で復帰しました。
他の先生もおっしゃってますが,育児と仕事の両立は泣きそうになるくらい大変です。
子どもはいくつになってもかわいいです。初めは産んで保育園に入れて復帰する気マンマンだったのに,いざ子育てをすると毎日が楽しくて可愛くて,育休を伸ばそうか本気で悩み迷いました。
1年育休とった友人も3年育休取った公務員の友人も子どもをはじめに預けるときは辛かったと言っていました。
母子分離はいくつになっても辛いんです。
いろいろ悩んで私は結果として半年で復帰しましたが,その判断は正しかったと思います。
まず,手技の感覚。復帰初めは(半年の中断期間でしたが)手技の感覚が戻らず,失敗の連続で毎日悔しくて車のなかで泣きながら帰宅していました。
復帰後は乳腺炎になったり,子どもが発熱したり,トラブルはつきませんでしたが,まずは時短からはじめ,フルタイムに,それから少しずつ日直,最後に当直と,理解ある上司のおかげで少しずつステップアップし,今は当直含めフルタイムで働いています。
ただし,これは近くにすむ実母と非医療職の夫の協力があるので成り立っています。
実母はやや過干渉なのでカチンとくることもありますが,子どものため,仕事のため,土日の保育,夜間保育,ベビーシッター,実母,義母と,つかえるものはすべて使ってます。
そのくらいの気持ちでないと子育てと仕事の両立はできません。外科系診療科だからでしょうか。
友人は子どもと一緒の時間を出来るだけ長くとりたいと,比較的シフト制の多い診療科を選択しました。
今後専攻医を決めるにあたりそのような選択もありだと思います。
いろいろ書きましたが,先生のやる気があればどこでもサポートしてくれる人は見つかると思います。
子育て中,子育て後の理解ある女性医師の先生方に何度も助けていただき,私は今までやってくることが出来ました。
先生も助けてくれる先輩をぜひ見つけてください!
そして,これを今後の頑張る女医さんのため還元していきましょう!
一緒に頑張りましょう!
卒後6年目女性医師