第4回 弥山に学ぶ会
開催日時
令和元(2019)年12月18日(水) 18:00~19:40
開催場所
JA広島総合病院 管理棟 3階 大会議室
主催
弥山に学ぶ会
代表: 溝岡 雅文 先生(JA広島総合病院 総合診療科)
参加者
40名(初期研修医9名,後期研修医4名,開業医3名を含む医師10名,その他職種:18名)
内容
『感染症と身体所見:命はその手で支えろ!』
講師:藤本 卓司 先生 (耳原総合病院 救急総合診療部)
司会:加藤 之紀 先生 (JA広島総合病院 救急部)
今回は,感染症レジデントマニュアルの著者である耳原総合病院の救急総合診療部の藤本卓司先生をお招きし,「グラム染色と身体診察からの診断推論」についてご講演を頂いた。司会は,研修医時代に藤本先生に直接指導を受けていた加藤之紀先生の進行で講演が行われた。
主催者からの声
二つのテーマの「グラム染色」と「身体診察」の重要性について講演された。
さすが,百戦錬磨の藤本先生は,短時間でグラム染色から得る細菌に関する情報,繰り返してグラム染色する意義を聴衆に伝えられていた。
診察では,血圧,比較的徐脈,呼吸音などについての基本的な知識を動画と音源を使って説明されていた。研修医,コメディカルも多かったが,参加者にとって明日からの臨床に役立つような内容であった。
参加者の声
- グラム染色ってすごく大切だということがわかった。抗菌薬の効果判定に薬剤投与後のグラム染色が役立つことがわかり,もっとグラム染色をやってみたいと思った(研修医)
- 脈圧の開大,脈拍などが診断に有用なことを意識していなかったので,これから身体診察を注意深く実施していきたい(後期研修医)。
- 感染症レジデントマニュアルを見ながら感染症の勉強をしてきたので,生の講演を聴講できて嬉しかった。米国のガイドラインの課題についても教えていただきありがとうございました(指導医)。
第5回 弥山に学ぶ会 EBMワークショップ 2020 in 広島
開催日時
2020年1月5日(日)9:20~15:30
開催場所
広島県医師会館 3階 303会議室
主催
弥山に学ぶ会
世話人: 溝岡 雅文 先生(JA広島総合病院 総合診療科)
参加者
21名(初期研修医:2名,後期研修医:4名,その他医師:4名,その他職種等:11名)
内容
テーマ
診療ガイドラインの使い方 TG18急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2018
講師
南郷 栄秀 先生(JCHO東京城東病院 総合診療科)
チューター
佐々木 順一 先生(広島国際大学),桑原 秀徳 先生(瀬野川病院),檜山 洋子 先生(広島大学病院)
タイムテーブル
9:20〜9:30 | ようこそ EBMワークショップへ |
---|---|
9:30〜10:00 | ショートレクチャー1 EBM総論 疑問の定式化 |
10:00〜10:20 | SGD1:信頼できるガイドラインとは |
10:20〜10:40 | ショートレクチャー2 診療ガイドラインの歴史的変遷とGRADEシステム |
11:20〜11:40 | ショートレクチャー3 TG18 新基準掲載急性胆管炎胆嚢炎診療ガイドライン2018の概要 |
11:40〜12:00 | SGD2:TG18急性胆嚢炎胆管炎診療ガイドライン AGREE2評価 |
12:00〜12:20 | ショートレクチャー4:GRADE down5 要素とEvidence profileの見方 |
12:20〜12:40 | SGD3:NICE2014 Gallstone disease CG18のエビデンスを読み取る |
13:20~13:50 | SGD4:TG18とNICE2014のエビデンスと推奨の比較 |
13:50~14:20 | 全体セッション |
14:20~14:30 | ショートレクチャー5:診療ガイドラインの推奨を目の前の患者に当てはめる |
14:30~15:00 | SGD5:EBMのStep4での診療ガイドラインの利用を検討 |
15:00~15:20 | 全体セッション |
15:20~15:30 | クロージング 質疑応答 |
広島地区でEBMに関連するワークショップが開催される事は少なく,今年度も南郷栄秀先生を招聘し開催した。
ワークショプで取り扱うテーマには,1)RCT(無作為比較対照研究),2)システマティックレビュー&メタアナリシス,3)診療ガイドライン,4)文献検索などがある。
2018年度は1)RCTをテーマとしたので,今年度は3)診療ガイドラインをテーマに行うことにした。
主催者からの声
EBMワークショップでは,チューターをWSに慣れた薬剤師の先生方に担当して頂き,スモールグループでディスカッションを重ねながら約5時間,楽しみながら学ぶことができた。
WSの難易度は,南郷先生によれば★★★★★(難易度Max)であり,多くの事前課題が与えられていたが,参加者は予習をしっかりとされていた。
GRADEシステム,AGREE【2】評価,推奨文の作り方などのレクチャーを受けながら,同じCQ(急性胆嚢炎の手術時期 早期 vs 後期)に対して,日本のTG18と英国のNICEガイドラインを比較検討した。同じCQであっても,採用された文献,評価されたアウトカム,推奨の根拠が微妙に異なり,推奨の作成過程から学ぶことで診療ガイドラインの役割と限界を深く理解できたと思われた。
参加者の声
- ガイドラインを作る側の目線や,ガイドライン同士の比較など,いつもと違う多角的な視点で見ることができて刺激になった。(後期研修医)
- ガイドラインの違った見方に興味を持ちました。
- アウトカムが診療ガイドラインごとに異なることが面白かった。
- 事前学習があったため分かりやすく拝聴出来ました。
- EBM,ガイドラインを正式に学んだことがないので,初期臨床研修医の指導医として知識を得る必要があるため参加しました。ガイドラインの作成過程を知り,適応範囲・限界を知ることができました。ありがとうございます。(県外臨床研修指導医)。
次回開催に向けて
南郷先生を1月に招聘して開催することが多く,新年の講演始めは広島の希望もあり,2021年1月にEBMワークショプを開催予定としました。来年度は,もっと多くの医師の参加をしていただけるようにご案内していきます。
弥山に学ぶ会は,2020年2月3日(月)18時から,感染症関連の研修会をJA広島総合病院で開催します。是非気軽にご参加ください。
関連情報
このページに対するアンケートにお答えください。