お城ワークショップin 福山
開催日時
平成28 年9 月4日(日)10:00~16:30
開催場所
福山城 湯殿(福山市丸之内1 丁目8 番)
主催団体名
感染症セミナー広島
代表: 溝岡 雅文 先生 (広島大学病院総合内科・総合診療科)
参加者
31人 (初期研修医 6人,医師 6人,学生3人,その他 の職種 16人)
実施内容
ランダム化比較試験の批判的吟味と適用
講師
南郷 栄秀 先生(東京北医療センター総合診療科)
10:00~10:30 | ようこそ!EBM workshop へ!(佐々木) |
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10:30~11:00 | ミニレクチャー:ランダム化比較試験とは(田丸) |
11:00~12:30 | Step3 論文の批判的吟味,結果の評価 (SGD1) |
12:30~13:00 | 全体セッション1(各グループの発表)(桑原) |
14:00~14:30 | Step4 患者への適用 (SGD2) |
14:30~15:00 | 全体セッション2(各グループの発表)(溝岡) |
15:15~16:45 | 製薬会社の製品説明パンフレットの使い方(南郷) |
17:30~ | 懇親会 |
(敬称略)
課題論文
A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control.
N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2103-16. doi: 10.1056/NEJMoa1511939.
会議室を出よう!という企画の第二弾は,福山城の湯殿という和室でのワークショップ開催となった。グループは、月見櫓、鐘櫓、筋鉄御門、伏見櫓、天守閣という福山の名所のついた5グループに分かれて7時間活発な議論を行った。
用意されたシナリオは,入院中の高血圧患者の血圧をどこまで下げたら良いのかというテーマであり,吟味する論文は昨年話題となったSPRINT試験を採りあげることになった。
SPRINT試験では,降圧目標を140mmHg以下にする標準治療群と120mmHg以下とする強化治療群にランダム割付され、一次複合アウトカムは標準治療群が2.19%/年、強化治療群1.65%/年と、有意に強化治療群が有効であった。有害事象では、強化治療群では電解質異常、低血圧、失神、急性腎障害が多かった。グループワークでは、強化治療の予後が有意に良好であったが、有害事象もやや増加しており、強化治療群と同様の治療を行おうという参加者は少数であった。薬を増やして降圧療法を強化するよりは、禁煙、減量などの生活習慣改善などを勧めるという意見も多数でてきた。薬剤師、初期研修医、指導医、学生など様々な経歴の持ち主が多様な意見を交わすことができた良いワークショップであった。
後半の南郷栄秀先生の講演は,『製薬会社の製品説明パンフレットの使い方』がテーマであった。製薬会社が提供する情報には「販売促進したい」という発信者の意図が入っており,データの選び方やグラフの見せ方などを注意してみなければならないとのことであった。「STAR WARSでマスターする製薬説明パンフの見方」,製薬会社依存のスクリーニング「CAGE」の二つの秘伝を参加者に伝授された。
参加者の声
- 会議室から飛び出して,博物館やお城の中でのWSをするのは楽しかった。
- 普段では話をする機会が多くはない様々な職種,立ち場の方々と,ディスカッションできたことで, いろいろな視点があることを知り,よい経験になりました。
- 論文を読んで,薬を使うことの良い点,悪い点などを理解でき,論文を読むポイントが少しわかったような気がする。
参加者へのメッセージ
大和ミュージアム,福山城という普段とは異なる場所でのワークショップで,県外からの参加者も多くみられた。
今回のワークショップは,EBMを学ぶ第一歩として日々の診療に少しずつ取り入れていただければと思います。
次回は,2017年1月8日(日)午後に第4回EBM workshop in 広島を大学病院で開催予定です。会場,プログラムなどが決まりましたら,ご案内いたします。
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