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排泄のおはなし(3)   津川 典子

 今回で「排泄」については、一区切りしようと思います。
 
 25年ほど前には、布おしめと紙おしめについて色々と論議されていました。その論議も10年ほどすると、紙おしめの製造販売業者が、子どもの肌には紙おしめの方が良いというデーターを出したり、利用者にとっても紙おしめの方が便利がよいということもあって、最近ではその議論も聞かれなくなりました。
  しかし、いくら機能が良いものであったとしても、使い方によってはよくないこともあります。
 
 
 
 たとえば、おしっこの吸収量が多いという機能があるがために、保護者の方から、「この紙おしめは3回くらいまでは大丈夫(吸収する)だし、お金がかかるから、頻繁に替えないでほしい」という要望が出ることがあります。
 おしめの機能はそうであっても、できるだけ衛生的にしたい、おしめを替える時に子どもと1対1のコミュニケーションを取りたいと考えている保育者は、保護者のそうした要望に苦悩することがあります。
 
 また、あまりに機能がよいため、子どもも紙パンツを簡易トイレ代わりにしていることがよくあります。
 最近多い相談に、普段は布のパンツをはいているのに、うんちがしたくなると「紙パンツ!」と言って、紙パンツに履き替えて、紙パンツで排便するというものがあります。
 その対応のひとつとして、「紙パンツ」をトイレに保管すること、トイレの近くで履き替えさせることを提案しています。
 「紙パンツはトイレにあるから、あっちで履き替えよう」と言いながら、排泄処理の場所をトイレに近づけていきます。
 そのような「スモールステップ」という感覚も大切です。トイレの近く、トイレの中、そして便器で・・というように、少しずつ排泄する場所を近づけていくと、親にとっても、子にとっても精神的な負担が減るように思います。
 
 それと共に、トイレを排便しやすい場所にすることも大切です。おとな用便器に子どもが座った時の「足置き台」を準備するだけで、足が地につき、排便のために力を入れやすくなり、トイレで排便することを嫌がらなくなることもあります。
 
 そのようなちょっとした工夫、アイデアが、排泄の自立の過程には大切なようです。
 
 
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