自己紹介でも記しましたが、私はニュージーランドの保育を研究しています。
先日、新聞で偶然目にしたのが、ニュージーランドの子育て支援施設に貼ってあったという、作者不詳の詩に関する読者からのおたよりです。
そのおたよりに詩の内容は書かれていなかったのですが、とても励まされたのだとありました。興味津々で調べてみたところ、日本では詩人の伊藤比呂美さんの訳で、絵本となって出版されていました。インターネット上でも、英語の原文や訳を読むことができます。
著作権に触れてはいけませんので、私の訳で紹介させて頂きます。
きょうわたしは、 作者不詳
お皿は洗ってないまんま
ベッドは、お昼過ぎにやっときれいにした
おむつも片づけていないし、
昨日の食べこぼしが床にころがっている
窓のよごれは、模様みたいになって、
きっと次に雨が降るまでそのままだ
なまけもの、とか、一日何してたの?とか言われるね
きょうわたしは、下の子が眠るまでおっぱいをあげて
上の子が泣きやむまでだっこしていた
かくれんぼをした
きゅっと鳴るおもちゃで遊んだ
ブランコを揺らして、歌を歌った
子どもによいこと、してはいけないことを教えた
本当に丸一日、何をしていたんだろう
こう考えない限り、それは見えないもの
わたしがきょうしたのは、青い目がきらきらした
髪の毛がふわふわの誰かさんにとって、大切なこと
そう考えると、ほら、わたしはちゃんとやっているでしょ
何気ない日常が描かれている詩なのですが、何が何でも自分一人でがんばらなくては!という子育てママの気持ちをくみとり、肩の力を抜いても大丈夫、というメッセージを発している気がします。
子育ては、振り返ればあっという間だった、という見方もできますが、やはり長い長い道のりです。すぐに結果が出るものでもありません。
私も、自分の子育てや教育、私の生き方は、子どもを幸せにしているんだろうか、と常に問うていますが、答えは出ません。
だけど、きっと意味のあることをしているよ、とハグしてくれるような詩だと思いました。
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