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「えほん」の世界へようこそ   富田 雅子

 誰しも幼いころにお母さんやお父さん、或いはお兄ちゃんやお姉ちゃんから「絵本」を読んでもらった経験があることと思います。
 毎晩のようにお父さんから怖いお話を読んでもらった。又は、お母さんのお膝の上で同じ絵本を繰り返し読んでもらったなど思い出は様々でしょう。
 もしかしたら、親となって子どもに読んでいるうちに絵本の魅力を再発見した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 実は私もその一人です。保育者として乳幼児に絵本を読んでいた時よりも、親として我が子に絵本を読むようになって一層絵本の楽しさを味わっています。
 
 「いないいないばあ」や「いいおかお」などの赤ちゃんの向けの絵本。「ももたろう」「こぶとりじいさん」などの日本の昔話。「白雪姫」「シンデレラ」などのグリム童話、「人魚姫」「裸の王様」などのアンデルセン童話など、長く読み継がれている名作がたくさんあります。
 
 
 出版科学研究所によると、絵本の売り上げ第一位は松谷みよ子『いないいないばあ』(童心社)で、累計400万冊。第2位は中川李枝子『ぐりとぐら』(福音館書店)で388万冊。共に単行本の刊行から40周年を迎えるそうです。第3位はエリック・カール『はらぺこあおむし』(もりひさし訳、偕成社)で268万冊。色鮮やかな仕掛けでじわじわと人気だとか。
 他方、児童書市場は1000億円(06年)で、出版不況の中では堅調さを保っている。しかしここ数年の新刊点数の急増で店頭から既刊が追いやられ、逆に「読み継がれてきた本」への関心を高めた結果になっているという。
 
 また、最近では、販売数よりも図書館の貸し出し数が上回っており、先ずは借りてみて気に入った本であれば買うという傾向がみられると分析している。
 活字離れが危惧される昨今、良い作品が読み継がれていることや図書館での貸し出し図書数が増加していることは、手に取って本を味わっている人がまだまだ多いことを表しているといってよいでしょう。
 
 ふと横にいる幼い子をみるとタブレットを指で触り絵本の画面を動かしています。
 その子の父親は、「今は便利ですよ。ここに何冊もの絵本が入っているから、いつでもどこでもたくさんの絵本が読める」と言います。
 確かにそうですね。でも、そこには、書店の店員さんとのやり取りも図書館で期日までに返却するというルールも介在しません。
 本をめくるときの紙の感触も匂いもなければ何度もめくるうちに紙が柔らかくなったり皺が入ったりすることを経験することもないでしょう。
 本屋さんに入れば、インクの匂いや紙の匂いがする。独特な匂いの空間で手に取ってめくって気に入った一冊を選ぶ行為までの楽しみをタブレットが与えてはくれないように思うのはわたしだけでしょうか。
 
 今の時代の便利なものすべてを批判する気は毛頭ありません。実際に多くのデータを紙媒体ではなく電子媒体で管理することの利便性を否定はできません。
 しかし、私達の生活を便利にしてくれるものが多くある中で、心を豊かにしていくものは自然の力や人間の力が大きいことも忘れないようにしたいものです。
 
 
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